しこてぽ相撲講

呼出

呼出(よびだし)とは何者か

呼出は、日本相撲協会所属の裏方専門職です。「力士」「行司」「床山」同様に所属の部屋がありますが、その役割は部屋を超えた横断的なものも多そうです。呼出さんの仕事は一言で言うと、土俵という舞台を物理的に成立させるところにありそうです。表舞台で行司が“裁き”、力士が“戦う”わけですが、呼出は 場を作り、整え、回す人という位置づけになります。あのキラキラした空間を構成するのに欠かせない人たちですが、興行的には目立ってはいけないわけですね。その仕事を評価できる人は相当な通だと思います。(何気にファンもついてますよね)

仕事1 力士を呼び上げる

名前の由来そのままですが、取組前に「ひが〜し〜 ○○〜、に〜し〜 ○○〜」と独特の節で呼び上げる、あの仕事が呼出の仕事です。裏方作業の中であれだけは飛びぬけて本人が目立つお仕事でしょう。あのつい真似したくなっちゃう発声と所作で呼出を意識する人も多いはずです。

仕事2 土俵づくり

これが重要なところで、力士の戦う場である土俵を用意するのが、呼出の力の見せどころです。最近はSNSで相撲協会が土俵の設営の様子を見せてくれるので、一般の人も様子を見たことがある人も増えてるんじゃないでしょうか?

本場所前には

  • 土を運ぶ
  • 俵を埋める
  • 表面を固める
  • 仕上げの整形をする

といった作業を大人数で集中して行われます。胴突き(どうづき)っていう土固め用の道具で土俵を頑丈に鍛え上げているシーンが印象的です。あの道具は蛸(たこ)とも呼ばれてます。見た目が丸くて足(縄)が付く形だからだそうです。

土俵は毎場所つくり直されますし、巡業先でも作る必要があります。各部屋の土俵に関しては、基本的に部屋主導で土俵の設営・管理がされるので、呼出の出番はなさそうですが、新造の部屋なんかですと、まず最初は呼出経験者を呼んで計画段階から手伝ってもらうんじゃないでしょうか?俵のない皿土俵だと特別な技術も要らないのかな?

こうしてみると呼出は大工であり、左官であり、整地職人であるとも言えそうです。特殊過ぎて職人としてつぶしが効くようにはみえませんけどね。

仕事2 取り組み中の補助

  • 砂をならす
  • 俵を直す
  • 塩を掃く
  • 力士のタオルを渡す
  • 水を運ぶ

こういった雑事は全部呼出が取り仕切ります。テレビ業界でいったらADさんみたいな感じでしょうか?会社なら総務部?誰もやらないことは全部呼出さんの仕事です。懸賞幕を掲げて土俵を一周しているのも呼出さんです。何十も懸賞金がかかっているときは、忙しそうに奔走しています。土俵上で一番走り回ってるのは呼出さんでしょうね。

一つ、場内アナウンスについては、呼出の仕事ではないそうです。あれはアナウンス専門のスタッフがいらっしゃるようです。広報とか音響関係の部署があるのかな。

階級

呼出にも番付があります。裏方にも階級があるってことに驚きますが、上が指導して下を育てる風土には必要な制度なのかもしれません。

  • 序ノ口格呼出
  • 序二段呼出
  • 三段目格呼出
  • 幕下格呼出
  • 十両格呼出
  • 幕内格呼出
  • 三役呼出
  • 副立呼出
  • 立呼出(最高位)

現在 の最高位の「立呼出」は克之さんです。

衣装

呼出は「着物」「股引」「素足(草履なし)」といったいでたちです。素足なのは「作業者」だからですね。行司が儀式担当で華やかなのに対して、呼出は実務担当なので実用的な恰好をします。

声は訓練制

呼び上げの節回しは完全に伝承制で、あの独特の抑揚は上から受け継がれてきたものだそうです。番付が上がるほど安定感が求められます。