競技ルール
「競技としての相撲」を整理します。
神事っぽいところは一旦置いといて、まずは勝敗がどう決まるか/何が反則か/どういう仕組みで進むかを考えてみます。
相撲の勝敗はどう決まるか
基本はとてもシンプルで、次のどちらかを先にやった方が「負け」です。
- 足の裏以外の体の一部が土俵につく
- 土俵の外に出る(どこから出ても負け)
つまり勝ち条件は相手を倒すか、外に出せば勝ちということになります。押し出しでも、投げでも、叩きでも、とにかく「相手が先に条件を満たしたら勝ち」です。
立ち合い(たちあい)のルール
両力士は仕切線の後ろに構え、両拳が同時に土俵についた状態からスタートです。
どちらかが先に動いたら「待った」になってやり直しとなります。
このルールの厳格化で、近年は手つき不十分を行事が取ることが増えました。
何度か立ち合う中でルールに合えばいつでも競技を開始できるというのが原則ですが、実質的に審判(行司)が「時間です」と言った後、呼吸を合わせて拳をつくようになっています。
人間的な駆け引きもあるヒリヒリした時間です。
決まり手(きまりて)
勝ち方には公式に認められた技の名前がついています。(参照:「決まり手」)
代表例
- 押し出し:正面から押して外に出す
- 寄り切り:まわしを取って前に出し切る
- 上手投げ・下手投げ:投げ技
- 叩き込み:引き落とす
- 突き落とし:突きで崩して落とす
- 掬い投げ:腕を差し込んで投げる
他にもたくさんあり、現在は80種類以上が公式の決まり手として整理されています。
しかし、決まり手は「勝ち方の分類」であって、勝敗そのものは 倒れたか/出たか だけで決まるという点が大事です。
禁じ手(反則)
これ、明確に決まっています。
主な反則
- 髪の毛(髷)をつかむ
- 目を突く
- 急所(股間)を蹴る・つかむ
- のどを締める
- 拳で殴る(張り手はOK、グーで殴るのはダメ)
- 指を反らす
- 背後からの締め技
これらをやるとその瞬間に反則負けです。相撲は「何でもあり」に見えて、危険すぎること・卑怯すぎることはちゃんと禁止されています。
土俵のルール
- 直径 4.55m の円
- 俵で縁が作られている
- 俵を踏んだ時点でまだ体が残っていればセーフ。ここから外に出たらアウト
重要な点として、「土俵の外に“先に”触れたかどうか」があります。同時っぽく見えても、どっちがほんの一瞬でも先かで勝敗が決まります。映像技術が発達して、本場所の判定にビデオも使われています。昨今のスポーツよりいち早く導入されたのは、瞬間で決まる相撲の競技性とも関係があると思いますね。
勝負判定:行司・審判・物言い
勝敗はまず行司が軍配で指します。土俵下には審判(親方衆)が5人おり、微妙なときは「物言い」(協議)がつきます。その結果は
- 軍配通り → そのまま決定
- 軍配差し違え → 勝敗が逆になる
- 取り直し → もう一回やり直し
となります。最近は映像確認も入るから、かなり厳密です。
取り直しになるケース
- 同時に落ちた・出たと判断された場合
- 決着がついた瞬間に技が成立していないと判断された場合
- 明確に勝敗がつけられない場合
この場合、ノーカウントでもう一番となり、体力的にはかなりキツいはずです。
「技が成立していない」という言い方ではわかりにくいのですが、両者の「負け条件」の確定タイミングが近くて不確かな時と考えていいと思います。地面への接地はわかりやすいですが、空中で外に出たときに「体がない」と言われる状態になったかどうかが、判断のわかれるところだったりしますよね。これはビデオがあっても難しくて、テレビの前の観戦者として意見をいろいろ言いたくなりますが、現場で見るとまた違うらしいですよ。
試合時間の制限は?
実は試合そのものに制限時間はありません。ただし、立ち合い前の「仕切り」には時間制限があります。
制限時間
- 幕内・十両:4分
- それ以下の番付:短くなる
時間が来たら「時間です」となって、そこからは間を置かずに立ち合いしないといけない。
体重・階級の区別は?
ないです。完全無差別級!
なので150kg vs 200kg みたいな取り組みも普通にありえます。その代わり、技・スピード・位置取りが超重要になる。相撲が「技の格闘技」でもある理由はここにあります。
世界の格闘技を見回しても体重分けしてないものはなかなかないですよね。昔の柔道は柔よく剛を制してましたが、オリンピック競技にもなった今は世界標準に転向しちゃいましたね。
星取りと優勝の仕組み(本場所)
本場所は15日間です。毎日1番、合計15番取り、勝ち越し(8勝以上)で番付アップが基本です。(幕下以下は7番勝負で、4勝で勝ち越しです)
一番勝ち星が多い力士が優勝で、同点なら優勝決定戦が行われます。
相撲のルールを一言で表すと
「相手を倒すか外に出せば勝ち。危険すぎることと卑怯なことは反則。あとは全部、身体と技と位置取りの勝負。」
と言った感じで、見た目はシンプルですが、実際は 重心・間合い・崩し・一瞬の判断の塊みたいな競技です。