決まり手/三所攻め
三所攻め(みところぜめ)
三所攻めは、相手の
- 上半身
- 片脚
- もう片方の脚
の三か所を同時に攻めて倒す決まり手です。
相撲の決まり手の中でも特に珍しく、三方向から同時に相手の自由を奪う高度な足技として知られています。
決まること自体が稀であり、「珍手」の代表格のひとつです。
判定ポイント
基本条件
- 相手の上体を抱える、または制御する
- 片脚を内側から攻める
- もう片方の脚も同時に制限する
- 三方向への攻めによって倒す
判定の核心は「三か所を同時に攻めて崩したか」という点です。
他の技との違い
| 技 | 違い |
| 内掛け | 片脚のみを攻める |
| 河津掛け | 片脚を絡めて倒す |
| 掛け投げ | 脚を掛けながら投げる |
| 居反り | 相手を反り上げて倒す |
三所攻めは「上半身+両脚」を同時に攻めるのが特徴です。
技の典型的な形
相手の懐へ深く入り込んだ状態から出ます。
特に
- 差し手が深く入ったとき
- 相手の脚が開いたとき
- 低い姿勢で潜り込めたとき
に狙われます。
典型的な流れ
- 相手の懐へ潜り込む
- 片腕で上体を抱える
- 自分の脚で相手の片脚を掛ける
- 反対側の脚も制限する
- 三方向から崩して倒す
技術的ポイント
低い姿勢
三所攻めは非常に低い重心が必要です。
腰が高いと技の形になりません。
脚の使い方
両脚を別々の役割で使います。
- 片方は掛ける
- 片方は塞ぐ
という動きになります。
上体の制御
脚だけでは決まりません。
上半身をしっかり抱え込むことで初めて成立します。
タイミング
- 相手が前へ出た瞬間
- 足が開いた瞬間
- 懐へ潜れた瞬間
が狙い目です。
得意とした力士
三所攻めは極めて珍しいため、頻繁に使った力士は多くありません。
しかし技巧派力士の代名詞ともいえる技です。
舞の海秀平(元小結)
三所攻めの名手として最も有名です。
小兵力士の可能性を示した技として語り継がれています。
宇良和輝(幕内)
現代相撲でも三所攻めを狙う数少ない力士です。
炎鵬友哉(元幕内)
低い姿勢から類似の攻めを見せることがあります。
有名な取り組み
舞の海 vs 若乃花勝(1993年名古屋場所)
- 舞の海が深く潜り込む
- 鮮やかな三所攻めを決める
- 現在でも名場面として紹介されることが多い
舞の海の幕内取組群
- 小兵力士ならではの創意工夫
- 三所攻めの代名詞として語られる
発生頻度
三所攻めは決まり手の中でも最も珍しい部類です。
幕内では何年も出ないことがあります。
理由としては
- 非常に複雑
- 体勢を作るのが難しい
- 失敗すると自分が不利になる
ためです。
見た目の特徴
- 勝った力士が極端に低い姿勢
- 相手の脚が左右に開く
- 上体と下半身が同時に崩れる
- 観客が驚くような体勢になる
観戦では「相手の脚を両方使って制御しているか」を見ると分かりやすいです。
河津掛けとの本質的な違い
| 技 | 攻める場所 | 特徴 |
| 河津掛け | 片脚中心 | 脚を絡めて倒す |
| 三所攻め | 上体+両脚 | 三方向から崩す |
三所攻めは「同時多発的な足技」と言えます。
面白いポイント
三所攻めの魅力は相撲離れした技巧性です。
力だけでは成立せず、
- 柔軟性
- 反射神経
- 体の使い方
がすべて必要になります。
そのため決まると館内が大きく沸き、相撲ファンの記憶に長く残ります。
観戦のコツ
小兵力士が
- 深く潜り込む
- 相手の懐へ入る
- 脚を両側へ使う
場面があれば三所攻めの可能性があります。
現代では滅多に見られないため、実際に見られたら幸運と言えるほどの珍しい決まり手です。